尻別岳(しりべつだけ)は、北海道喜茂別町、留寿都村、真狩村にまたがる第四紀火山である。標高は1107.27m、二等三角点(点名「後別岳」)の山である。アイヌの人々はピンネシリ(雄岳)と呼び、当時の入植者は前方羊蹄山と呼んだ。南側山麓の橇負山(枝脈)にはルスツリゾートが広がる。
特徴
約13万~5万年前に活動した火山であり、地質は安山岩~デイサイト質からなる。火山体は大きく分けて、西開き馬蹄形地形が特徴的な西尻別火山体と、現在の山頂部にあたる円錐形の東尻別火山体に分けられる。
火山活動として、約13万年前 (Km-2)と7万年前 (Km-1)にデイサイト質マグマによる火砕流を伴う爆発的な噴火が発生。尻別テフラ・喜茂別火砕流が噴出し、山麓に火砕流台地を形成した。この2回の噴火の合計噴出量は10km3以下と推定される。その後、7万年前ごろに東尻別火山体が、6万年前ごろに西尻別火山体が形成される。5~6万年前ごろに西尻別火山体が崩壊し留寿都岩屑なだれが発生、西方に向かって10kmの範囲に崩壊物質が流れ下った。その際に形成された流れ山の一つが軍人山である。この時崩壊した山体の体積は1-2 km3と推定されている。山体崩壊後から約5万年前にかけて、馬蹄形地形縁中央部に溶岩ドームが形成された。完新世における噴火は認められない。
登山ルート
南側から登る留寿都コース、北から登る喜茂別コースがある。共に所要時間は2時間程度
近隣の山
- 羊蹄山(1,898m)
- ポロモイ山(625m)
- 貫気別山(904m)
- 喜茂別岳(1,177m)
- 橇負山(715m)
- 軍人山(561.2m)
脚注・出典
関連項目
- 北海道百名山
- ルスツリゾート
外部リンク
- 日本の火山 尻別岳 - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
