わさび平小屋(わさびだいらごや)は、岐阜県高山市の飛騨山脈(北アルプス)南部にある山小屋。
中部山岳国立公園内、高原川の支流の蒲田川の左俣谷に沿って付けられた林道の脇、標高1,402 mに位置する。新穂高温泉から徒歩で1時間ほど。
概要
1957年(昭和32年)に、双六小屋の経営者であった小池義清が、双六小屋への荷継ぎのために、ワサビ平にこの小屋を建設した。2014年(平成26年)より、著名な山岳写真家でもある二代目経営者・小池潜(ひそむ)から継いだ三代目・小池岳彦(たけひこ)が経営。わさび平小屋のほか、同じ山域にある双六小屋・黒部五郎小舎・鏡平山荘の各山小屋も小池がオーナーを務める。2018年には新館(トイレ棟)が完成した。
付近はブナの原生林となっている。このブナ林からの湧水を利用した風呂が小屋にあり、宿泊者限定で利用できる。
小屋から10分ほど手前に笠ヶ岳の登山道の笠新道入口がある。飛騨山脈主稜線へは、林道を遡り小池新道から双六小屋方面へ向かう。2005年(平成17年)秋、左俣谷から奥丸山へ登る登山道が新設された。これにより、わさび平小屋を利用して、奥丸山から中崎尾根を経由して槍ヶ岳に至るルートが新たにできた。
営業期間
- 7月10日 - 10月20日(2017年)
収容人数
60名。また、小屋のすぐ横にテント30張分のキャンプ指定地がある。北アルプスの大部分が中部山岳国立公園内であるため、キャンプ指定地以外のテント設営は禁止されている。
主な施設
売店・食堂・簡易水洗トイレ・洗面所・乾燥室・無料の給水施設・公衆衛星電話などがある。
近隣の山小屋
- 鏡平山荘
- 双六小屋
- 笠ヶ岳山荘
- 穂高平小屋
- 槍平小屋
- 槍ヶ岳山荘
周辺の山
- 双六岳 - 三俣蓮華岳 - 鷲羽岳
- 樅沢岳 - 槍ヶ岳
- 弓折岳 - 抜戸岳 - 笠ヶ岳
- 奥丸山
参考文献
- 柳原修一『北アルプス山小屋物語』東京新聞出版局、1990年6月。ISBN 4808303744。
- 『北アルプス山小屋案内』山と溪谷社、ISBN 4-635-17022-5
- 『ヤマケイ アルペンガイド 上高地・槍・穂高』山と溪谷社、ISBN 4-635-01319-7
- 『月刊「山と渓谷」2016年1月号 「泊まってよかった山小屋」第2位・双六小屋 主人・小池岳彦さん』山と渓谷社、2016年1月、78頁。ASIN B0170CM5SA。
脚注
外部リンク
- 北アルプス山小屋 双六小屋-わさび平紹介-
- 北アルプス山小屋友交会




